一般戸建住宅の窓に、アルミサッシが使われるようになってからすでに数十年になります。
当初は使いやすかった窓サッシも、年数が経つにつれて様々な劣化が見られるようになってきます。
その結果、建具の建て付けが悪くなってスキマができたり、窓のカギがかかりにくい、建具の開け閉めが重たくなったなどの不具合が生じることがあります。
窓のカギや、建具の下に付いているコマ(戸車)といった部品を替えたら、これらの症状が改善することもあります。
しかし窓サッシの枠が歪んていたり、サッシ自体の劣化(腐食している、変色している等)が問題となっている場合には、サッシ専門業者によって窓サッシをまるごと取り替えするという方法がありますので、ご紹介します。
住宅の窓サッシで最も一般的に使用されている引違い窓(写真参照)。
このタイプのサッシの枠はそのままで、動きが悪くなった建具だけを替えられないか、というお問い合わせをいただくことがあります。
現在流通している商品の主なサッシメーカー(リクシル、YKKAP、三協アルミなど)では、従来使われているシングル(1枚)ガラスの入った建具から、ペア(2枚)ガラス入りの建具に替えられる、専用の取替用障子(建具のみ)を発売しています。
ただし、取り替え可能な引違い窓サッシはある程度年代が限られていますし、違うメーカーの商品には適合しません(すでに無くなっているメーカーや、ハウスメーカー独自のサッシにも対応していません)。
引違い窓サッシの建具だけを替えられない場合は、窓をまるごと(サッシ枠ごと)取り替えすることをご提案しております。
従来は窓サッシを取り替えする場合には、窓まわりの外壁をカットしてサッシ枠を交換するようになるので、後からカットした部分の外壁・内壁の補修が必要でした。
そのため補修にあたって複数の業者が入る工程となり、作業手間と工期を要するのが一般的でした。
しかし、現在では外壁・内壁の補修も含めてサッシ専門業者だけで行なうことができる、窓リフォームに特化した商品を利用することができます。
この窓リフォーム専用商品であれば、より短期間で、仕上がりがキレイな工事が可能となります。
今までのサッシ枠はそのまま残し、その内側に新しいサッシ枠を取り付けする「カバー工法」を採用した商品による工事です。
今までのサッシ枠や枠まわりの構造体に新しいサッシ枠を固定し、サッシ枠の内外まわりは付属の仕上げ部材でカバーします。
【窓の「カバー工法」のメリット】
・サッシ専門業者だけで工事できるので、短い工期で工事費用を抑えられる。
・木造に限らず他の構造体(鉄筋コンクリート造や鉄骨造など)にも対応できる商品がある。
・外壁をカットしない工法なので、工事中に粉じんや大きな騒音が発生しない。
・設置条件が合えば、今ある窓サッシの発売時期(年代)、メーカーを問わず取り替えが可能である。
・設置条件が合えば、2階の窓でも足場無しで工事できる商品がある。
【窓の「カバー工法」のデメリット】
・今までのサッシ枠の内側に新しいサッシ枠を取り付けするため、窓のサイズが一回り小さくなる。
・今あるサッシ枠の形状によっては、採用できない場合がある。
・商品によっては、室外側で今までのサッシ枠が全部隠れず、部分的に残って見えてしまう場合がある(同系色のサッシで揃えられると、上写真(室外側)のようにあまり違和感は無い)。
・掃き出し窓(テラスサイズの窓)の場合、下枠部分で今までのサッシに比べて段差ができてしまう。
写真のカバー工法用窓サッシの例では、もともと無かった下枠の段差が約3センチ生じています。
「カバー工法」での窓サッシ取り替え事例 |
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リクシルの「リプラス」を使って2階サッシの入れ替え工事→ |
YKKAPの「マドリモ」を使って断熱サッシの入れ替え工事→ |
三協アルミのカバー工法用商品を使ってサッシの入れ替え工事→ |
今までのサッシ枠まわりの外壁をカットして、サッシ枠を取り外し、新しいサッシ枠と入れ替えして取り付けする工事です。
外壁をカットした部分、内壁に生じたスキマ部分は専用の仕上げ部材で隠して納めます。
【窓の「壁カット工法」のメリット】
・窓の「カバー工法」と同じく、サッシ専門業者単独で取り替え工事が可能。
・取り付け可能な構造体であれば、今までの窓サッシの発売時期や製造メーカーは関係なく採用できる。
・サッシ枠ごと入れ替えするので、今までの窓から種類を変更することができる(上写真参照)。
(窓の種類変更は、「カバー工法」用の窓サッシでも可能な商品がある)
・今までの窓サッシとサイズがほとんど変わらずに済む(掃き出し窓でも下枠の段差が生じない)。
【窓の「壁カット工法」のデメリット】
・外壁をカットするので、工事中にある程度粉じんや騒音が発生する。
・2階の窓での工事では、窓サッシ室外側の仕上げ作業があるため、足場が必要となる。
・窓まわりの状況で外壁をカットできるスペースが少なかったり、他に障害物がある場合には採用できない。
「壁カット工法」での窓サッシ取り替え事例 |
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リクシルの「リフレムⅡ」を使ってサッシの入れ替え工事→ |
リフォーム業者様と共同で壁カット工法を応用した工事→ |
窓サッシの取り替えリフォームについては、対応できる商品が進化しており、現場の状況に合わせてサッシ専門業者のみで工事できるケースが増えてきました。
ただし、窓リフォーム専用のどの商品を採用するのが適当であるか、お客様のご要望と併せて検討することが重要になります。
たとえば、補助部材を追加することでリフォーム用窓サッシの設置条件をクリアできることもありますので、弊社では担当者が現地調査を入念に行なった上で、プランをご提案するようにしております。
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(個人・法人様とも所在地が営業エリア内であるお客様に限ります)